本日は、次々販売商法の例です。いい加減な契約をする業者がまともな工事をするわけがなく、間違いなく欠陥住宅を造り続けます。
老夫婦の家に、「この辺り一帯を回っています。お宅の屋根の漆喰が剥がれて瓦もズレているので、屋根を見せてほしい。」と業者が訪問してきました。
業者は「一緒に屋根に登って見て欲しい」と言いましたが、梯子が急で登ることが出来ず、業者だけが登りました。屋根から降りた業者は、漆喰の破片を手に「このままでは雨が漏るから、梅雨までに補修した方がいい。」と説明をし、屋根工事の契約を行いました。
工事当日、「漆喰工事の出来栄えを確認したいので天井裏に入りたい。」と言うので許可したところ、瓦の重みで屋根が歪んでいる。カビも生えているので原因は床下かもしれない。」と、今度は床下に潜りました。その後床下で撮影したというビデオを見せながら、「床下の湿気が原因でカビが発生し、それが柱や断熱材を伝わって屋根裏に伝わった。屋根の補強工事と床下の防湿工事が必要。」と説明し、老夫婦はさらに契約を行いました。
床下工事の最中、今度は「浴室のタイルから水が漏れて土台が腐っている。」と言われ、更に浴室工事の契約を行いました。
結局、総額600万円の被害を受けました。
このように、最初は何かの工事で入って、次から次へと追加の工事を行うのが、次々販売商法の手口です。本件のポイントは、最初の梯子です。急で登れないような角度で梯子を設置して、施主が見られないようにしています。屋根を葺き替える場合、普通は下地に問題が無いかまで調査を行った上で契約します。ビデオも、本当にこの現場で撮影したかどうか疑問です。
実際に目で確認する必要がありますが、自分で出来なかったら信用できる人に頼むのもいいでしょう。
次回は、残りの次々販売商法の手口をご紹介します。