ハウスインスペクターのひとり言

最近まともな話題をアップしていなかったので、ちょっとシリーズで悪徳業者の手口を書こうと思います。悪徳業者は騙してお金を取るだけでなく、欠陥住宅を間違いなく造ります。

最初は点検商法です。
60歳代の男性の家に業者が訪ねて来て、「今無料で耐震診断をしている」と言うので、タダならいいかと診断を依頼しました。
その結果「今のままでは地震時に瓦が落下して近隣に迷惑がかかる」と言われましたが、工事費が210万円もかかるので一度は断りました。しかし、ローンを組めば月々の支払いが２５０００円であることを強調され、やむなく契約してしまいました。
その夜信販会社から連絡があって、工事費が210万円でも10年のローンを組むと総額が300万円になると聞き、翌日業者に断わりの電話を入れました。
しかし翌日業者が家に来て、「今断ると金融機関のブラックリストに載るので、家族に迷惑がかかる」と言われて、業者の言いなりになってしまいました。

耐震診断関係のトラブルは多く発生しています。耐震診断は、専門知識を持った建築士は行う業務ですので、専門家が行う以上無料は有り得ません。診断料が無料でも、間違いなく工事費に上乗せされている筈です。
浜松市の場合、精密診断の場合平均で15万円程度かかります。精密診断はまず現場調査として床下や天井裏に潜り込んで見えない部分を調査し、壁や床の下地が何かまでを調査します。その後現状の計算をした後に補強計画をたてます。
15万円は高いと思われるかもしれませんが、人件費や諸経費だけで儲けまで出る金額ではありません。そのくらい手間と経費がかかる仕事なのです。