またまた一部の心ない構造設計事務所のせいで、強度不足のマンションが出来てしまいました。
住人の苦悩を思うと言葉もありませんし、構造設計をしていた私は腹が立ってなりません。
構造設計は、意匠設計が終わってからでないと確定できません。意匠が終わってから構造設計期間を与えられればいいのですが、実際は意匠がギリギリまで延びるので、同時進行となります。ですから、構造設計は締め切り間際になると何日も徹夜をして仕上げる事になります。私もよく徹夜をしました。また予算の関係で、ギリギリまでコストを下げる事も要求されます。
でも、様々な悪条件の中で適切な設計を行う事が務めで、ごまかすのは最低の建築士がする事です。一番悪いのは構造ですが、関わった全ての関係者に責任があります。
昔は手計算で設計が行われていました。勿論計算はコンピューターには勝てませんが、構造設計者は理論的に強かった。しかし、最近はデータ入力の方法を覚えれば計算ができてしまいます。手計算ができる人は間違えれば何かおかしいと感じて見直しが出来ますが、データ入力の経験しか無い人は、それが出来ないのです。